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KOUSAKU HOTTA

堀田幸作(tasobi project 代表)

僕はこの14年くらい食の変態的な作り手に会う旅を続けています(笑)
食材を巡る旅の途中から、気づけば南の島の畑で働くことになり、ウミンチュのおじちゃんと海に潜り魚介を採るようになったり、六本木農園の園長になったり、元々はbluestudioでリノベーションの仕事をしていたり、様々な業種を渡り歩いてきました。
僕の中ではそれらは繋がっていて、これからそれらを活かせると思うとワクワクが止まりません。
また今ではその旅に興味を持ってくれたシェフと一緒に旅をしたり、イベントを企画・運営したりもしています。「旅する事」と「遊ぶ事」が僕の仕事です。
そして、変態的な“超個性”を発見するのも仕事です。

現在は株式会社tasobiを立ち上げて、慣れない社長を緩やかにしております。

「創造力は遊びから生まれる」という信念を掲げ、クリエイティブで楽しい食の生業を目指し、毎日を情熱的に、でも肩の力を抜いて生きています!

tasobi
http://www.facebook.com/tasobitasobi

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2016/06/22

宮崎県の綾町で出会った伝統食「あくまき」

宮崎県の綾町で出会った伝統食。
「あくまき」
実に興味深い。
作り方はシンプル、
もち米を一晩灰汁につけて、
同じく灰汁もしくは水で一晩浸した孟宗竹で包み、孟宗だけをひも状にしたものでしっかりと縛り「灰汁」で3時間くらい煮る。
それだけ。
とてもシンプル。
しかし、この灰汁と、孟宗竹、熱の効果がすごい。
竹の中で膨張するモチ米は、自身の膨張圧力で餅のように変化するらしい。
また、灰汁の強アルカリ性により、糊化が促進されるらしい。
水分も多いので、冷めても硬くならないという特徴も同じもち米でも、いわゆる餅とは異なる。餅というより、わらび餅に似たようなテクスチャーだと思う。
長時間火にかけることによる滅菌、
アルカリ性による雑菌繁殖の抑制、
竹による抗菌と、
実に保存性に優れた食べ物である。
歴史は長く400以上年前から存在する保存食とも言われているらしい。
それにしても何故、
もち米を竹の皮で巻いて、灰汁で煮ようと思ったのだろう、、、。
人間のクリエイティビティには本当に驚かされるばかりである。
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2016/06/13

tasobiフィールドワーク「Restaurant MASA UEKI」2016.06.08

先日、銀座のレストラン「Restaurant MASA UEKI」植木 将仁シェフはじめ、同レストランの方々を銚子と波崎へご案内。

植木さんとの出会いは、つい最近ですが、立ち話で意気投合、「早速、来月行きたい!」と。
このフットワークの軽さには驚きを隠せませんでした。
が、ぼくもそう言うのスキなので、即決定。
お会いした2週間後には一緒に旅をしていました。

今回ご案内したのは、
●銚子の魔法のいけすを有する情熱と友情を大切にするロックな魚問屋の「一山」
●波崎が誇る筋金入りの変態干物職人「越田商店」
●380年の歴史を誇る発酵調味料蔵。「山十商店」

熱い作り手さんと熱い料理人さんは、あってすぐに波長があったようで、意気投合で、使う言語も似ていた。
やっぱこの感じ良い。
変態同士がつながる瞬間。



「一山」についてはこちらでカンタンに説明を書いてあります。詳しいことは行ってみたいと分からないので、それは行った時に!
https://www.facebook.com/tasobitasobi/photos/...

「越田商店」についてはこちらでカンタンに説明を書いてあります。こちらも同じく、詳しくは行ってみたときに!
https://www.facebook.com/tasobitasobi/photos/...

「山十商店」についてはこちらでカンタンに説明を書いてあります。こちらも同じく、詳しくは行ってみたときに!
https://www.facebook.com/tasobitasobi/photos/a.203154653157988.47658.196908717115915/233431806796939/?type=3&theater

来月は、
また知り合いの若手シェフの方々をご案内。
あの人達も完全にド変態だからな〜
これまた超楽しみなのであります(笑)


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もの凄い鯖の越田さん

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一日だいたい1000〜2000匹を手で捌きます。なので、鋼の包丁も、まな板も1年持ちません...。
このまな板のデコボコは、作業しやすい様に特注品を手配しているわけではありません。日々の仕事で削れていってしまうのです。もともとは平らな板です。
一匹だいたい6〜7秒くらいです。
スピードもさることながら、中落ち殆ど無しのその技術に驚きを隠せません。

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背骨が削り取られて、血合い骨のラインに骨が残っています。このギリギリのラインで捌く技術...。

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そしてこの歴代の出刃包丁、、、そう、これ元は出刃包丁です。もはや原型無いですが、、、。鋼の硬い包丁が一年もたないとは驚きです。一番左のモノが現役です。

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そして、このもの凄い鯖の技術と伝統を継承すべく、越田さんのセガレは後を次ぐ事を決意し、日々研鑽中なのであります。そして、関係ないですが、これまたもの凄い良い男なんです。顔もですが、性格が男前です。それは越田家の特徴なのかもしれません。めっちゃかっこいい家族です。お母さんも現役バリバリの働き者。実はこの捌く技術はこの三人しか習得できていません。いまではこういう技術をもつ職人さんは全国探しても居ないのではないでしょうか。。。

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一山のいけす。海でつり上げられた天然魚は、ここでゆっくり休みます。
疲労物質は抜け、胃の内容物も抜けます。言わばデトックスと言っても良いかもしれません。
餌を与えないので、消化にエネルギーを使いません。自然治癒力にエネルギーを使います。そして筋肉は疲れが抜け、リラックスします。そうして締められる魚は、、、分かる人は分かる説明だと、「ラオウではなく、トキにやられる感じ」です。


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このやんちゃそうな顔がたまりません。

2016/02/23

チョコ羊羹(ようかん)の記憶

チョコ羊羹(ようかん)の記憶。
僕にとっては金沢の想い出。

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1999年頃の金沢。
建築を学ぶ大学生だった僕は金沢の中心街から少し外れた所にあるカフェ「サロン粋 / salon sui」に衝撃を受けたのを思い出す。
カフェと言う言葉がまだいまいち僕の中で理解できていない異文化の言語で、それがどういう存在なのか知らなかった頃の出来事。空間のデザインは大阪のデザイン集団grafさん。
古い町家を改装したその空間は和の様でいて、「いわゆる昔ながら」に立ち戻るのではなく、
東洋と西洋が入り交じった現代の日本文化、現在の空気感、そういったものをまとったデザインにまとめあげられていた。
音楽はリトルテンポやport of notesが流れていたと思う。心地よかった、、、。
想い出にふけるときりがない。いまはチョコ羊羹の想い出のみに絞らねば。

ここで一度だけ頂いた事がある舌の記憶「チョコ羊羹(ようかん)」。
チョコと羊羹?
不思議におもったものだけれど、
あの衝撃はこのサロン粋の存在に出会った事と同等くらいのなにかがあった。
高校を出て初めて地元から離れ、ストリートに足を踏み入れ始めた頃の何も知らない若者の純粋すぎるスポンジの様な感性は、その取合わせの妙に唸ったのだった。
「ぬおっ」
「チョコと羊羹。。。」
「和洋折衷とか、建築概論の教科書に書いてあったけど、これもしかして、その実体験じゃないか、、、ヤヴァイ!
目を閉じ、その和の物とも洋のものとも位置づけをはっきり認識できていない謎の物体を口に運ぶと、なおさら自分がどこに居るのか解らなくなる。
茶室でししおどしが遠くで聴こえる様な気もするし、西洋の鐘の音が聴こえる様な気もする。
舌触り、香り、味、歯で感じるテクスチャ、喉越し、余韻
めまぐるしく情報が僕の五感をノックしてくる、そして自分の処理能力の限界をあっという間に通り越していく。

体験と言うのは面白いもので、
自分の中に入ってくる情報量は無限なように感じる。
例えば体験で得る情報は20GBだとする。
それに対して、体験した人から聞いた言葉は20KBにも満たないかもしれない。

経験の浅い20歳前後の、少年と青年の間くらいのなんとも言えない領域に居る一人の若者は、
東洋と西洋の狭間という文化の合流地点のような領域で、完全に味覚の行方不明に陥ったのだ。

この体験から学ぶ事は実に多かった様に思う。
これまでの人生でほとんど勉強もせずに過ごしてきた若者は、大学での勉強に翻弄されながらも振り落とされない様に一生懸命しがみつき、脳と心になかなか刻み込まれない建築学やデザイン論なる何かを学んでいた。そんなときに、デザイン論で学んだ和洋折衷と言う言葉の実体験。
写真で見る折衷様式の建物ではなく、
かつてから自分の身近にあった存在である羊羹とチョコレートという素材の衝突と均衡から生まれた、今僕の目の前にあるチョコ羊羹。
単純にチョコと羊羹を一緒に口に入れればそれで良いと言う物でもない。
この、中身が見えない薄暗い黒いブラックホールの様な物体の中には両者が調和し、均衡を保つための何かの繋ぎ役が居るはずなのだ。
いまとなってはそれが何だったのか思い出す事ができないが、領域をまたぐ事、自らのフィールドを飛び出してみる事、学問から学ぶこともあるが、実体験と相まってそれは厚みを増すと言う事、取り合せには無限の可能性がある事、などをこの体験から学んだのではないかと振返る。

この話に出てくるチョコ羊羹を当時、サロン粋で作られていたHisae Wakizakaさんに感謝です。ありがとうございます。

そして、このチョコ羊羹をプレゼントしてくれた玉山さんに感謝です。

あっ、ここまで僕の記憶に残っている時点で、あえて言うまでもなのだけれど、、、この時のチョコ羊羹は絶品だった。

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