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SHIRO OZAWA

SHIRO OZAWA
小澤 史郎(小澤金物店 店主)

1989年福井県生まれ。
箪笥など工芸の様式を調べるなか、金物の美しさに触れ、
和金物を中心に伝統的な金物をそろえた小澤金物店を開業。
「日本の美しい金物」をコンセプトにしつらえにかなう金物を製作販売している。

建築空間や家具など、その意匠全体に大きな影響をあたえる金物。
金物という小さな伝統がもつ美のエッセンスを求めて日々調査、研究に取り組んでいる。

座右の銘は「たかが釘、されど釘」

小澤金物店
http://ozawakanamonoten.com

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2018/08/03

看板屋さんにガラス戸に手書きで書いてもらいました。

みなさん、こんにちは。




今回、ガラスの建具の看板を書き換えましたのでご紹介します。


これまでも看板はあったのですが、
ガラス建具のところにちらりと「和金物 小澤金物店」と白字で清朝体の活字を引き伸ばしてペイントしておりました。


私はこれはこれで今風かな?(笑)とか思っていたですが、
お年寄りからは評判が悪く、
「あんなのなんて書いてあるかさっぱりわからん」(どっかのおばちゃん)とか
「インパクトが無い」とか言われてました。



IMG_5429.jpg
(少し前の弊店外観。小さく白地のペイントがあった。)



そこで、これまでもいいなーと考えていた昔ながらのお商売屋さんの入り口のガラス戸のように
手書き文字で店名を入れたいと市内の看板屋さんにガラスに手書き看板が出来るか確認して回りました。


けれどカッティングシート一を提案され、手書きはどこも引き受けてくれませんでした。


そこで福井市の方へ電話してやっと、見つけたのが今回お願いした看板屋さんでした。



翌朝9時過ぎ、道具一式持って来られていて「今日書きます」とおっしゃいます。



まず打ち合わせして、雰囲気を伝え、見積りを後日送っていただけるのだろうと思っていたのですが、着くと挨拶もそこそこに、書く内容を聞かれすぐ仕事開始。



4枚の引戸のうち中央2枚に「小澤金物店」と聯にお願いしますと伝えました。


IMG_2500.jpg
(今までの文字とのあっけない別れ...。)



コンパスで中心をとっていきます。

IMG_2511.jpg



そして一気呵成に書いていきます。



IMG_2549.jpg


通常、書く前に「上品な文字でね!」「キュッとして余白をとってね!」とか言うところですが、
そんな隙は全くなく仕事は進んでいきました。




次見るとすでに2枚目。


早い。



IMG_2565.jpg




書き上げると金色の塗料を用意して裏面に。
白地の裏から金を入れていきました。


白文字は下書きで、ガラス文字は裏から色を入れるという事でした!なるほど!
(確かに昔のガラス文字は裏から書かれている。)



IMG_2581.jpg



飄々と進んでいきます。



IMG_2588.jpg



書き終えると助手の方が下書きを落としていきます。



IMG_2592.jpg



細かいところの調整をしていきます。



金文字だ〜!




IMG_2609.jpg



この時点で書き始めから45分経過。



IMG_2608.jpg



1時間足らずで完成しました。
あっという間でした。


お盆もあるし、お彼岸までくらいに書いてもらえたらいいなーと思っていたのですが、
電話して翌日午前中に仕上がり。


早い!



こちらの職人さんは、昔は映画会社からの手書きポスターを頼まれたりしていたそうです。
今でも選挙事務所の必勝という文字を入れた応援ポスターを書いたり、
さらにそこに龍の絵を入れたり、シャッターやトラックなどへの手書きなど様々な仕事をされているそうです。


下が仕上がった店舗入口のガラス戸です。


手書きならでは味わいある雰囲気に仕上がりました。
やっぱり金文字ですね!


これでおばちゃんも見やすくなったと言ってくれると思います。


やってよかったです。



IMG_2619.jpg







2018/06/04

野の花

こんにちは。


タトデザイン不動産部門のタナカさんに『おっさんずラブ』を強くすすめられ、
見逃し視聴にどハマり中です。(福井ではテレビ朝日系の地上波放送がないため)


天空不動産を見ていると、愛に溢れ楽しそう。
当店は福井でひっそりとやっていますので静かなものです。笑


都会もいいなと思いますが、都会にいると田舎育ちの私なんかは、自然を欲してたまらなくなったりもします。


福井は人口約75万人。
人は少ないですが、野山には自然があふれていまして、気持ちが良いです。
好きな花をみながら山を歩いたり、朝庭に出て日々の植物の成長を感じたり。

店ではそんな野の花や庭で咲いた花を店にいけて楽しんでいます。




フタバアオイ.jpg



これは5月15日の京都葵祭にあわせて入れたものです。


庭の植木鉢で育てているフタバアオイがちょうど花をつけいました。
(花器の口のところにちょこんと乗っかっているのが花です)



その日、野や庭で目にとまった花をこんな風にふっと入れて楽しんでいます。



最近は時間がなくてあまり山にはいけていませんが、
福井の山にはフタバアオイが自生しているところもあります。


自生フタバアオイ.jpg
山中の道端の双葉葵(2015年5月15日)



今年はもう盛りは過ぎましたが、ササユリが大変きれいでした。


自生ササユリ.jpg
自生している笹百合(2018年5月25日)


こんな風に身の回りにきれいな自然の花があるのは嬉しいなあと思います。



また、福井は美味しい魚が気軽に食べられるのもいいところです。


小澤金物店がある越前市は魚屋さんが非常に多いところで、
昼前には焼きたて、揚げたての魚が店頭に並びます。


魚屋さん.jpg


この日は時間が遅かったのでパックされてますが、普段はもっと威勢がいいです。
手前のカレイの唐揚げは、ジューシでサクサクでおすすめです。
温かいご飯と魚と漬物があれば、いい昼だと思います。


昼にご飯とへしこも最高です。



なんとも取り留めのない話になってしまいましたが、
福井での毎日を少し紹介させていただきました。




次回はぜひ金物の話をと思っております。



2017/12/18

小澤金物店、店舗ができました。

ご無沙汰しております。



今年も残すところ半月を切りました。



福井では早くも雪が積もり、例年よりも1ヶ月ほど早く季節が進んでいるような感じがしています。
寒いです。



さて、8月に当ブログでお店ができることのご報告をさせていただきましたが、
無事今秋、開店いたしましたのでご報告いたします。



お店はこんな感じです!




小澤金物店外観
IMG_5430.jpg



建物は昭和6年築の古い商家(旧薬店)。
武生地方の伝統的な町家(商家建築)で、雪国ですので、雨や雪の吹き込みを防ぐために、下屋に幕板(袴)が回してあります。
この建物では幕板を看板として用いており、この建物の特有の意匠的特徴となっています。



店舗内観


IMG_5455.jpg



外観同様、店舗内部も昭和初期の商いの形がそのまま残されています。
右手小上がりの板間はケヤキの框に松板。
薬箪笥やガラスケースも当時のままです。
左手には、洋館のようなものがビルトインされていますが、
この空間は調剤室として使われていたそうです。




店舗調剤室側

(写真の左側のガラス扉には「試験室」とうっすらガラス文字が残っています。)


調剤室にはレトロな金物を並べています。
板の間の方には、和釘や社寺金物などを並べて、和の金物と洋の金物で売り場をわけています。


この建物に出会った時、すぐにここに入りたいと思いました。
他にも色々と物件を回っていたのですが、なかなか条件の会うものが見つからず、
知り合いに聞いてもらって見つかったのがこの建物でした。


いいなと思ったのは、建物にやたら手が加えられておらず、建築当初の雰囲気がそのまま残っていること。
そして棚などは全て自由に使って良いと家主さんが仰ってくださったことでした。
薬棚はどれも、金物商いにとってもちょうどよいサイズで使いやすく、気に入ってます。
また、昭和初期の天然の材料だけで作られた空間(合板などが使われていない)ですので、
雑巾掛けなどしますと、拭けば拭いただけ応えてくれるのも大きな魅力です。


一人店舗で作業をしていると、ふとこの家を建てたご当主のお店にかける想いを感じることがあります。
ここのご主人は初代でして、他所の大店で修行し苦労の末、この店を建てられたそうです。
実際建物を見ると、家の中でも店舗部分が最も構造的にも強く、意匠性を持たせお金がかけられていることがわかります。
店内の壁は漆喰で仕上げられていますが、現在も住まい部分は中仕上のまま。つまり、未完成です。
できる限りお店にかけたのだと思います。


また、二階座敷(檀那の趣向の出るところ)を見ると、四方柾の杉の床柱に大変素直な欅の中杢の床板が用いられ、そのお人柄が偲ばれます。


そう感じるので、このお店を大事に末長く使っていきたいと心から思うのです。



ホームページに載せている商品以外にも、店頭にならべておりますので、
もし近くにお越しの際はお立ち寄りいただけたら幸いに思います。




冬は少し寒いですが、ストーブをつけてお待ちしております。





小澤金物店外観夜



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