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  • 小さなギャラリーを持つオフィス空間

第10回となるオフィス訪問はインテリアスタイリスト、黒田美津子さんの事務所、Laboratoryyの本拠地。物件を仲介させていただいた2017年当時のインタビューから早5年。以前は物件とのご縁や家具のことをお伺いしましたが、2度目となる今回のインタビューでは仕事場自体の変化や最近の取り組み、今後の展望などを尋ねてまいりました。

前回の記事はこちらより。https://www.tatodesign.jp/interview/detail.html?entryno=10

窓際のリビング

はじめに、最近のLaboratoryyさんのお仕事のご紹介をさせていただきます。カリモク家具の「Karimoku Commons Tokyo」ショールームでのスタイリングをご担当されています。落ち着いたトーンで大人の空間...!

<Styling>竹内優介/Yusuke Takeuchi <Photo>BOUILLON 井上 昌明/Masaaki Inoue

<Styling>: 株式会社Laboratoryy / 黒田美津子事務所 <Photo>BOUILLON 井上 昌明/Masaaki Inoue

<Styling>: 黒田美津子/Mitsuko Kuroda <Photo>BOUILLON 井上 昌明/Masaaki Inoue

<Styling>: 株式会社Laboratoryy / 黒田美津子事務所 <Photo>BOUILLON 井上 昌明/Masaaki Inoue

さてオフィスについてです。一番大きく変わった場所は小さなギャラリースペースができたこと。
2年ほど前から始めたという「Gallery Laboratoryy / triangle」と名付けられた、お部屋の小さな一角を利用したギャラリーです。お仕事では自分達のスタイル・好みを大切にする一方でそれ以上にクライアントさんのご要望が第一。このギャラリーは自分達の好き勝手に好きなモノを好きな時にスタイリングできる楽しめる場所として作られたそうです。

【Gallery Laboratoryy / triangle】

2ヶ月間そのままの時もあれば、1週間で展示替えを行うことも。日中から夜まで道行く人に楽しんでもらえたらと、照明用配線まで完備、ペンダントライトなども設置できるようになっています。たまに照明など、新商品の展示依頼も受けることも。カーテンで塞がれてしまうガラス窓よりも、人の気配が感じられるガラス窓からは自然と建物も生き生きとしているような気がして、外を歩いていて安心できますよね。

道に面したお部屋とギャラリー

この日の展示はLaboratoryy所属の若手インテリアスタイリスト、竹内優介さんのスタイリング。無機質なセメントキューブ、ダクト、球体などの幾何学立体物の配置とエルメスのル・モンドに多目的ネットなど、ビビッドなオレンジの物体たちが対照的ながら心地よく併存しています。季節の風物詩であったり、自然物、インゴマウラーなどのデザイナーに焦点を当てることもあるそうですが、最近は「アップサイクル」がベースにあるそうで、お仕事で使って廃棄してしまうモノの可能性を見出したりされているところに感銘を受けます。ホームセンターにあると資材にしかみえないモノがここまで引き立てられてしまうのですから!素敵です!

<Styling>竹内優介/Yusuke Takeuchi

スタイリストさんは個人のフリーランスが多いそうですが、法人として事務所をここに構えることで仕事内容がより濃いものに変化していったそう。小物や家電なども最新のものを薦められることも強みで、お仕事に対する期待値も高まっていき、カタログ撮影用のスタイリングなどは、通常内装→スタイリングの順序が多いところ、内装が仕上がる前に展示物を提案し、そのスタイルに合わせるように壁などの内装仕上げを決める(スタイリング→内装)ということが増えてきたようです。モノを引き立てるためには背景が大事ですからね。陳腐な背景を作らないよう弊社設計陣も頑張らねば...。

<Photo>左:HOEK 大井 智史 右2枚:株式会社Laboratoryy / 黒田美津子事務所

黒田さんによる過去のスタイリングを数枚ご紹介。すでに20回くらいテーマを変えて飾っているそうで、素材・形状・色など様々な種類のモノをバランス良く飾られていますね。「ブランディング」のようなクリシェに縛られない自由な創造性に富んだ組み合わせはお部屋の気分を変えたい時の参考になりますね。この小さな空間でも高さや奥行きを上手に活用していて素敵に溢れています!

<Photo>株式会社Laboratoryy / 黒田美津子事務所

<Photo>株式会社Laboratoryy / 黒田美津子事務所

打ち合わせスペースを中心に、奥には黒田さん

2017年弊社撮影

入居時の6年前には無垢床を貼ったり、仕切り壁を立てたりして空間を整えた事務所、デスク配置の変化はありませんでした!一度レイアウト変更したことはあったそうですが、使いづらく今の配置に落ち着いているといいます。造作壁を白塗装したりと少しだけ変化があるようですが、上手く馴染んで洗練された空間となっています。中央に陣取る打ち合わせテーブルはカスティリオーニのレオナルドテーブルのオリジナル脚に、天板は部屋のサイズに合わせて製作。可動式ですが思ってたより上げ下げしないそうです(笑)可動家具って意外とそんなものですよね...!

デスクスペース

ソファは激務の小休憩に必須だという竹内優介さん。緑に囲まれてリラックスできる空間となっていました。

優しい色に囲まれる心地よい空間

家具の変化はというと黒田さんと竹内さんのオフィスチェア。Zanotta製「CASSIA」というモデル名のヴィンテージ椅子。「ジョナタン・デ・パス & ドナート・ドゥルビーノ & パオロ・ロマッツィのトリオデザインの希少な椅子はたまたま2脚見つかって即買い(笑)セカンドハンドのチェックは欠かしません。廉価版の家具より、古くてもずっと価値のある本物を。」とお二人とも口を揃えます(笑)一つの価値観かもしれないけど、この物件に対する思いも同じ。「時」という試練に耐えた古いものしか持ち得ない魅力を大切にするということ。モノに備わったクオリアを見抜く感覚、自分も大事にしたいと思います。

家具や建具にクローズアップ

ソファ前のテーブルも欠けた部分を銀継ぎ。壊れても直して使っていく。お部屋と黒田さん竹内さんの人柄が見事にフィットして使いこなされていました。「次はカーテンをKvadratにしたいなぁ...!」と黒田さん。すっかりこの建物の虜で、次なるアップデートを考えておりました。

窓際の一角

2回目の訪問インタビューは弊社も初めての試み。いい物件でいい物語を伺うことができてよかったです。ありがとうございました〜!

<お客様情報>
黒田美津子事務所(Laboratoryy)
http://laboratoryy.com

黒田美津子(くろだ みつこ)
インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター
広告、イベント、商業施設、ホテル、住宅、レストランのインテリアディレクション、スタイリング、コンセプトワークまで幅広く手がける。
著書『tangent 接点ー黒田美津子』など。

https://www.instagram.com/mitsulab/

竹内優介
インテリアスタイリスト
建築を学ぶ大学在学時より、インテリアスタイリスト黒田美津子が主宰するLaboratoryyに所属。
雑誌・広告のヴィジュアル制作をはじめ、店舗の空間演出を手がけるなど、インテリアや空間に関わる幅広い活動をしている。

https://www.instagram.com/116.107.107/