MY LIST
お気に入り
  • TOP
  • REPORT
  • 「角川武蔵野ミュージアム」見学

隈研吾氏設計の角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)で開催中の竣工記念展「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生ー石と木の超建築」を会社の皆で見学してきました。

建物全体が花崗岩で覆われ、一つの隕石の様にも見える外観。建物との距離で見え方が多様に変化する大きな建造物に圧倒されます。

外皮に拘った分、駐車場、館内共に配管むきだしの現代的な天井はむしろ潔く、コンセプチュアルな形状のアクリル衝立やインフォメーションカウンター等、人の目に入りやすい部分に注力していることが伺えます。

「人の身になって考えられる、やさしくて、思いやりのある人が、建築や都市のデザインに向いています。」
展示入り口にある隈氏の言葉に重みを感じながら入場し、隈氏の建築作品の模型や図面、映像等を見ることができました。

中でも今回の石張りの展示は興味深く、10cmほどの厚みのある石が傾斜した角度で落下しない様、RC躯体にステンレスのダボやワイヤーで留めており、施工には6ヶ月もの期間を要したよう。躯体と石の距離は近いところでも20cm、遠いところだと2mにも及ぶそうで、圧倒される印象は裏側で支える金属部材の賜物であり、構想から実現までの苦労が伝わってきます。

隈氏の発する言葉の中で、「建築」と共に「都市」という単語も多く登場します。今回の美術館も神社、パビリオン、ホテル等併設の「ところざわサクラタウン」の一部であり、水辺や緑の丘含め各建物同士が心地良い距離感に存在しているように感じました。人々の社会的距離が問われる時代に適合するとともに、今まで木材表現を追求してきた隈氏が「石」を用いて訪れる人にとって自然を近くに感じながら各々の時間を過ごす空間作りをされている印象を受けます。

神社の千木は通常線対称で男千木、女千木どちらかに統一されますが、よく見ると形状が違います。意訳するとジェンダーフリーとも受け取れる拘りが垣間見れたりと、「私の代表作になるだろう」という隈氏の言葉通り、建築・都市という大きなスケールから細かいスケールのものまで心の篭った作品で、大変勉強になりました。

正直な話、石の大建築を目の前にすると、大自然を目の前にした際に感じる「畏敬の念、崇高さ」みたいなものも感じました。
感覚に訴えてくる設計物。まさにスターアーキテクトの集大成となっていると思います。
まだ完成していない図書館もいつか訪れたいですね。美術館にはカフェ併設で、近くにはチームラボの「どんぐりの森の呼応する生命」もあったりと一日じっくり楽しめる場所となっていますので、是非お休みの日に訪れてみては如何でしょうか。


https://kadcul.com/

< 撮影・書き手: 許斐、櫻井(TATO DESIGN) >