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  • 「住」の優先度を高める暮らし方「磯子の家」

リモートワークが多くなり、都内を離れる選択をされたお客様。家での滞在時間が長くなり、身体を包み込む内装材や日常的に触れたり目にしたりする器具、家具に拘りを持つ方の空間作りのお手伝いの内容をお伝えさせていただこうと思います。次のお引越しやマンション購入、新築等、少しでもその際の判断基準の参考になれば幸いです。

写真:ヴィンテージのダイニングセットにサイドボード

既存間取りを生かし家具を配置。自然光の陰影や灯の反射が塗装と同じように見えるクロスを選定しています。美術館やギャラリーと同様に、空間はホワイトキューブにすることで様々な素材や形状を持つ家具等を際立たせると共にまとまりがでると思います。

写真:緑の見えるリビング

ここから各水回りを見ていただこうと思います。まずは既存状況から。

写真:before(トイレ・洗面所・キッチン)

御手洗いの滞在時間は少ないかもしれないけれど、使用頻度は多くなるはず。天井壁はピンク塗装とし、既存収納を再利用した手洗いの天板はマーブル柄の人工大理石を使用。トーンを落とした器具選定を行うことで、スタイルのある異質な空間に。朝支度も行えるよう、広い洗面ボウルを採用しております。

写真:トーンをまとめた御手洗い

御手洗いや個室など、扉を閉じて利用する場所は印象を変えて楽しむことができる一方で、飽きのこないシンプルな場所も大事ですよね。扉付き収納を上下に設け、ボトルやタオル等の収納量を確保。アンダーカウンターとすることで日々の掃除も容易です。足元は体重計や使用頻度の高いアイテムを置くことができるように少し浮かせています。

写真:スッキリとした洗面所

キッチン向かって写真左側にはカウンターを造作。こちらも人工大理石を使用しています。お持ちの家電類を踏まえ形状、寸法を検討しています。

写真:動線を考慮したアール形状のカウンター

今回、塗装箇所である壁面や巾木、建具などは「COAT LAB」さん(https://www.coat-color.com/)にお願いしました。プランナーの小林さん、ペインターのヤマグチさん、素敵な仕上がりにしていただきありがとうございました。光の当たり具合で表情の変わる塗装。色味も豊富で、お好みや空間に合わせてサンプルを照らし合わせながら検討するのはとても楽しいです。

写真:塗装で色味を統一した建具とアクセントカラーの壁面

空間の雰囲気を変えるには内装材を変えるのがベターですが、窓の位置によっては光が当たらず時間によるお部屋の変化を楽しめないこともしばしば。その場合、灯具を変えることで空間の印象も変えることができ、アイテム自体への愛着も出てくるのでオススメです。今回設置した照明器具を紹介させていただきます。共通して言えるのは点灯・無灯時どちらも美しい器具という点。(形状が丸いことも...ですが偶然です。。)ダウンライトや間接灯での空間演出も良いですが、アクセントにいかがでしょうか。

写真左から
使用箇所:「器具名」デザイナーで記載

ダイニング:「VL45 ラジオハウスペンダント」ヴィルヘルム・ラウリッツェン
洗面所 :「LIILA 1 OPAL GOLD」ソフィー・リファー
御手洗い :「IC LIGHTS C/W1 Black」マイケル・アナスタシアデス

写真:名作照明で空間を華やかに

お家時間が増え、ご友人を家に呼ぶことも多くなるのでは。自分が居心地の良いと思う場所になっていれば、その人の個性と相まって招かれた他人も自然と心地よくなるもの。そんな場所、空間作りのお手伝いができれば幸いです。


< 撮影・書き手: 大山、櫻井(TATO DESIGN) >